認知症で親がテレビを見なくなった理由と、楽しく見るための工夫

認知症で親がテレビを見なくなった理由と、楽しく見るための工夫
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「あんなに好きだった番組を、最近まったく見なくなった」というのも、認知症介護の現場でよく聞く変化の一つです。この記事では、テレビへの関心が薄れる理由と、専門機関が紹介している工夫を、公式情報をもとに整理します。

※本記事は公式機関・専門家の情報をもとに作成しており、筆者自身の家族の実体験に基づくものではありません。症状の現れ方は人によって異なります。気になる変化があれば、かかりつけ医や地域包括支援センターなど専門機関にご相談ください。

目次

テレビへの関心が薄れる理由

国立長寿医療研究センターの認知症情報ポータルでは、テレビに関心を示さなくなった場合の原因を、いくつかの視点から確認するよう案内されています。もともと好きだった番組そのものを見なくなったのか、それとも見る機会自体に気を遣っている(家族に配慮している等)のかを見分けることが挙げられています。また、周囲への配慮で音量を小さくしたまま、本人が聞こえにくくなっていることに気づかれていないケースもあるとされています。国立長寿医療研究センターの解説

好きだった番組(相撲やドラマなど)を全く見なくなった場合は、テレビに限らず趣味や余暇活動全般への関心・興味の低下が関わっている可能性もあるとされています。

専門家の解説

言語聴覚士が執筆する日本テクトシステムズ株式会社のコラムでは、認知症のあるテレビ視聴の傾向として、記憶障害(特にアルツハイマー型認知症の主症状)が視聴の仕方に影響することが紹介されています。連続ドラマなど、前回までの内容を覚えている前提の番組は、話の筋を追いにくくなり、楽しみづらくなることがあるとされています。

出典:日本テクトシステムズ株式会社「認知症のある人のテレビの楽しみ方」(執筆:言語聴覚士、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」内容より)

専門機関の見解の紹介

国立長寿医療研究センターでは、関心が薄れたテレビを「誰も見ない介護施設の中で虚しく流れているテレビ」と同じ状態と表現し、対策として本人に向き合って話しかけたり、一緒に何かをしたりすることを挙げています。テレビを一方的に流しておくのではなく、関わり方そのものを見直すという考え方です。国立長寿医療研究センターの解説

なお、テレビ視聴と認知症の関係については、研究によって見解が分かれています。老年社会科学の研究レビューでは、テレビ視聴がある方が認知症発症が少ないという報告と、長時間視聴が認知機能低下につながるという報告の両方が存在し、「賛否両論」の状態にあると整理されています。単純に「テレビは良い/悪い」と決めつけず、視聴の仕方(受動的に流しているだけか、内容に関心を持って見ているか)に注目することが大切だと考えられます。老年社会科学39巻3号の研究レビュー

工夫できること

専門家のコラムでは、記憶に負担をかけにくい番組の選び方や、視聴を支える工夫が紹介されています。

  • 意味記憶を活かせる番組を選ぶ:大河ドラマや時代劇、昔見た映画など、歴史の知識や時代背景(意味記憶)を活用しながら楽しめる番組は、直前の話の筋を覚えていなくても楽しみやすいとされています
  • 決まった時間に放送される長寿番組を活用する:「この時間はあの番組」という認識が保たれやすく、見当識(時間の目印)の助けにもなるとされています
  • 番組表の検索や録画予約を家族がサポートする:電子番組表の操作が難しい場合、見たい番組を家族が事前に調べて録画・視聴予約をしておく方法が紹介されています
  • 一緒に見て会話のきっかけにする:ニュースや時事番組を家族と一緒に見ることで、自然な会話が生まれやすくなるとされています

出典:日本テクトシステムズ株式会社「認知症のある人のテレビの楽しみ方」

テレビへの関心が薄れる背景には、聞こえにくさへの配慮や記憶障害の影響など、様々な要因が考えられます。リモコン操作自体に困っている場合は、以下の記事も参考にしてください。

まとめ

テレビへの関心が薄れたときは、番組そのものへの興味が失われたのか、聞こえにくさなど別の要因が隠れていないかを、まず確認してみることが大切です。

意味記憶を活かせる番組を選んだり、家族が番組表の検索・録画予約をサポートしたりすることで、楽しみ方を保てる場合があります。

趣味全般への関心低下など気になる変化があれば、かかりつけ医や地域包括支援センターにも相談してみてください。

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